舞響

舞台という魔境の地に魂を捧げた小人の手記

寝たら忘れてくれ

夢を見た。

珍しく、見ている時からはっきりして、

起きてからも、脳裏にへばりついている。

幼なじみにプロポーズされて指輪をもらい、

喜びを噛み締めながら、柄にもなく、

知り合いの顔を見るたびに報告をしていた。

突然、目を閉じたまま頭が冴えた。

ん?今の夢か、てか結婚て、しかも相手あいつだったし、高校の同級生に報告しまくってたし、びっくりした〜夢か〜あっぶね〜

起きた瞬間から、目も開ける前に、

頭が急速に回転した。

冷静に考えれば、別に危なくはない。

ああ、こんな私にも人並みに“結婚願望”なんてものがあったのか。

漠然と、そう思った。

現状、そういう相手がいるわけでもなければ、

そいつにそういう気持ちを持ったこともない。

まあ、もうすぐ友達の結婚式だとか、

結婚に対する価値観みたいなアンケートに答えたとか、

あの友達も結婚したしプレゼントどうしようかなあとか、

今の私の年齢って母が結婚した年齢だなあとか、

ボヘミアンラプソディのプロポーズのシーンよかったなあとか、

25歳にもなると、結婚というワードは、

どんなに振り払っても私の周りを

ぶんぶんと付き纏うわけで、

夢は寝てる間に脳が中身を整理整頓している過程で見せるものだとどっかで聞いたことあるし、

夢に“結婚”という話題が取り上げられるのも無理はない。

で、あまりにも記憶がはっきりしているので、

夢占いで調べてみた。

総じて、人付き合い、特に恋愛についていい傾向になる、的な内容だった。

そして久しぶりに連絡してきた人がいると思ったら、

それは私のことを安くヤレる女だと思っているクソ野郎だった。

てめぇじゃねェんだよ…。

マッチングアプリで繋がって2、3回会ったが、

最中の会話で先がないことがわかったのをきっかけに、

(そもそもそいつとはマッチングアプリを使う目的が違った)

LINEでそっけない態度を取り、

もう誘ってこない流れに持っていこうとしたが、

忘れた頃に性懲りも無く連絡してくるので、

未読スルーで放置し続けているところ、

数ヶ月ぶりにまた性懲りも無く連絡してきた。

(最初の時に、流れに身を任せてしまった私も悪いのはわかってる、わかってるんだけどね。)

もう一回言っておこう。

てめぇじゃねェんだわ。

それでもあの夢の内容は、

バイト中も頭の中をぐるぐる走り回って、

仕事の邪魔をした。

勘弁してよ、今それどころじゃない、

生活できるかも定かではない。

もう、頼る術は、

寝たら忘れる説しかない。

というわけで寝よう。

オチはないけど。

おやすみだぜ。